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書籍

【あさのあつこ/野火、奔る】やっぱよく分からんけど、私は木暮信次郎が好きらしい。

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どうも、梅之です。

というわけで、あさのあつこさん著作「野火、奔る」の感想です。

野火、奔(はし)る 「弥勒」シリーズ

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今回で12作品目!
いやぁー、この弥勒の月シリーズ、好きなんですよね。

1冊目の時から登場人物に惹かれてて、毎回新刊を楽しみにしてるぐらいには好き。
ハードカバーで見つければ即買いしてるんで、今のところ継続して読んでる長編小説になっています。

ただここ最近の話でいうと。
漠然と主人公のひとりであり私の推しでもある木暮信次郎のことが分からなくなってきてて(いやこの人を理解できたと思ってた自分が浅はかだった可能性が高いけど)、悶々とする日々が続いていたりするわけですよ。

私は弥勒の月シリーズでは、木暮信次郎が大好きなわけでして。
彼を好きになった理由が、一番最初の「弥勒の月」で人を殺めようとした遠野屋さんを信次郎が止めるシーンだったので、私の中ではもう「信次郎はなんやかんやで遠野屋さんに人斬りはさせない」と信じている(盲信してる?)節がある。

……いや、でも。
なんていうか……、回を重ねるごとに、「いや、信次郎。遠野屋さんが人斬りに戻るの、待ってるのか?」ってなる時がある。

というか、毎回思う。
弥勒の月シリーズって、弥勒の月で終わるつもりだったものが長期連載になって、その結果、信次郎の性格とか変わってきたのか……?? って疑うぐらいには、なんか信次郎のスタンスがよく分からなくなってきてる。

今回の「野火、奔る」でも、遠野屋さんに対して「斬ればよかろう」って言ってるシーンがありまして。

信次郎、遠野屋さんをそそのかしてる?!……まあ、そそのかすのはいつもの事なんですが。

もしくは、自分がそそのかしたぐらいで道を踏み外すはずがないと思ってて、そそのかしてるのか。
道を踏み外した遠野屋さんを見るのも一興だと思って、そそのかしてるのか。
このあたりが、私の中での“遠野屋さんの人斬りを止めた信次郎”と矛盾してくるので、あさの先生がどんな風に信次郎を描こうと思ってるのかも含めて、「信次郎……。お前のしたいことが私には分からないんだわ……」ってなってるんですよ。

ただ。
今までは、これってあさの先生の揺らぎ(信次郎をどう書くか迷ってるのかな?)って思ってたんですが。
今回のおくみちゃんとおちやちゃんの話を見て、「あー……、人間には色んな一面があるもんなぁー」って気持ちになってきました。

好ましく思ってる友人(だと思っている相手)の中に、自分が怖いと感じる部分を見つけてしまう。
その結果、今まで友達だと思っていたけど、「本当に友達だったのか? 本当は違っていたんじゃないか?」と感じてしまって、遠ざけてしまう。
その行為自体は決して悪なのではない。そういう心の動きがあるのが、人なのだ。
そしてその上で、相手を信じるかどうかは自分次第なのだ。

私の感情として整理すると。
信次郎の中には、遠野屋の人斬りを止めた一面(弥勒の月でのワンシーン)があって。
でも同じ人間の中に、遠野屋の人斬りをそそのかす一面もあって。
両方とも木暮信次郎に変わりなく、どちらの信次郎を信じるかは読んでいる私次第なわけで。(いや、おくみちゃんとおちやちゃんの話のような微笑ましいものでは決してないので、一緒のものとして考えていいのか? って感想文を書きながらすごく思ってるけど!)

この訳のわからなさを含めて、やっぱ木暮信次郎っていいキャラなんだろうなぁーって思う。

いや、まあ、信次郎を信じる信じないを私が決めるっておかしな話だし、この件に関してはまじで「結局信次郎って遠野屋に人斬りをさせたかったのかよ!」ってなる可能性も十分にあるんで、分が悪い話なんですけど!!

というわけで、やっぱり面白かったです。
ごちそう様でした。
梅之でした。

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