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書籍

【高殿円/シャーリー・ホームズとジョー・ワトソンの醜聞】愛とはなにか? 結婚とはなにか? 一番やべぇ奴は誰なのか?【感想】

この記事は約4分で読めます。

というわけで。
やっぱり面白いなぁー!と実感しつつ、今回も楽しく読みました、「シャーリー・ホームズとジョー・ワトソンの醜聞」なわけですが。

シャーリー・ホームズとジョー・ワトソンの醜聞

今回のテーマは、「結婚と愛」なんだよなぁ……。
あと、アドラーが(この作品の中ではエレイネ)出てくる。

いつかアドラーは出てくると思ってたし、ホームズの話(性別は逆転してるけど!)だから結婚の話も出てくると思ってたけど、まさかこんなに壮大かつ奇想天外なものとして出てくるとは思わなかった。す、すげぇー……。
毎回新刊が出るたびにワクワクして読んでいるシリーズなので、今回もやっぱり素敵。

というわけで、相変わらず面白いです。

思えば原作でもワトソンって結婚してるし、性別逆転ものとはいえホームズ作品において結婚は避けては通れない話なんだろうなぁー。(思えばシリーズの1作目の最後もジョーが途方に暮れた様子で花嫁衣装きてたはず)

で、ジョーが結婚して即行で離婚して、そこからあれやこれやと「愛とはなにか?」っていう普遍的なテーマも重なって、「え。シャーリーとジョーが愛とはなにかを語らうの?!」ってワクワクしていたら、そんなことはなく。

というか、むしろホームズらしく、愛とか結婚とかを語ろうとすると出てきそうな「それは二人が運命だったからさ!」的な言い分も入れつつも、普遍的な愛や結婚とはこれまた違うけど一般的?な「人の心とはどこから来るのか? そりゃあホルモンとか臓器とか!!」ってなっていくのがいい。

いや、愛とか結婚ってめっちゃ普遍的なテーマだから。
そこを感傷的に色々とこねくり回して書くこともできるし、いっそばっさりと身体の状態異常みたいな感じで書き切ることもできるだろうけど。
この本ではどっちもせずに「愛もあるよね」「ホルモンの影響もあるよね」と書いた上で、その上で燦然と輝くシャーリーとジョーの友情(愛情?)を感じるのが
素敵といいますか。

愛を語るときにいろんな切り口があって、色んな説明の仕方があるけど、このシリーズに関しては「運命だったから!」っていう話と「それはホルモンの影響だよ」の両極端の説明がいい塩梅に描かれてるのがいいんですよね……。

そして、ジョーが不穏。
いや、思えばこの子は大抵不穏なんですよね。
ジョーの不穏さってシリーズの2作目から少しずつ描かれている気がするんだけど、ここ3作目に入ってさらにグレードアップしたといいますか、「あ。この子、やべぇ奴だ」って認識できるぐらいになってきて、読んでて楽しい。

この話、ジョーの不穏さと、その不穏さの正体が知りたくて読んでるといっても過言ではない。

シャーロック・ホームズを元ネタにしているシャーリーがやばい人なのはなんとなく分かるんだけど、こう、ワトソンのほうが実は輪をかけてヤバイ人間であるっていう書き方をする話って珍しいとおもうので、読んでてワクワクするんですよね……。

普段は“愛”とか“結婚”とか年相応の女の子の気配を漂わせているのに、誰かが開けてはいけない箱の蓋を開けた瞬間に飛び出してくる狂気(殺意)が伝わってくるの、好き。
文字通り、地の文で「誰を刺そう?」とか「殺す」とかっていう言葉がさらっと出てくるんで、普段のジョーに慣れてる身からすると、「お、おう……」ってドキドキしてしまう。

作者さんの文章がすっごくうまくて、ジョーの殺意のオンオフが助走なしに入れ替わるんで、……ジョー、お前もしかして二重人格とかそういうオチはないよな?! って疑ってしまうわけですよ。

シャーリー曰く、ジョーは好きな相手の好みに合わせて擬態するらしいので、つまりこの“女の子らしくしているジョーをシャーリーが好んでいる”ってことで、不穏なジョーを誰かが好んで、その相手をジョーが受け入れたら、不穏なジョーも見れるんですかね……??

これはこれですごく見てみたい。怖いけど。

で。
結論、面白いんや。

やっぱこれに尽きるなぁー。
ジョーの不穏さも、愛や結婚の話も、そして謎解き部分に散りばめられている仮想通貨や戦争の話も踏まえて、面白い。

いや、ミステリーがあんまり得意ではないので、私の場合、謎解きパートは謎を解くというより傍観者に徹しているほうが圧倒的に多いんですけど、それでも十分に面白いんだから好きです。

そして。
とうとう話の一文に“ライヘンバッハ”が出てきたわけでして。

この単語が出てくるとそこまでホームズに詳しくなくても、「あー……、この話もそろそろ終わるんだ?!」って気持ちになるから不思議ですよね……。次の巻で終わりなのかな。

いやぁー、この話におけるライヘンバッハの滝がどんな話になるのか、めっちゃ楽しみだなぁー。
ごちそうさまでした!

シャーリー・ホームズとジョー・ワトソンの醜聞

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